ダイカストってなに?
簡単に言うと「溶かした金属に圧力をかけ、高速で金型へ流し成形する製造方法」で、プラスチック射出成形の金属verみたいなイメージです。金型という初期投資は必要になりますが、精度のよい金属部品を安く大量生産することができます。
溶かした金属を型に流して固める製造方法を「鋳造 – ちゅうぞう」と呼び、鋳造によって作られた部品のことを「鋳物 – いもの」と呼びます。ダイカストは鋳造の一種で、他にも砂型鋳造、重力金型鋳造、ロストワックス鋳造などがあります。
どうやって作るの?
1)金型の設計・製作
まずは金型がないと始まりません。エンジニアが精密なダイカスト金型を設計・製作します。基本的な構造は、可動型と固定型にわかれていて、型をスムーズにつなぐガイドピン、製品形状を作る入子、溶かした金属を流す鋳込口などがあります。今回はシンプルに表現するため、簡略化していますが、実際には他にも多くのパーツが組み込まれます。

2)ダイカストマシンで成形
金型を専用マシンにセットし成形します。コールドチャンバー方式では溶かした金属を1サイクル毎にスリーブに入れ、高圧(40~100MPa程度)で射出成形します。


ダイカストマシン参考画像:芝浦機械|DC135JT
トリミング・仕上げ加工・表面処理
成形した部品にはバリやゲートなどの不要部分があり、それらを処理する工程がトリミングです。人の手によって行われていましたが、現在はトリミング専用マシンによって自動処理されていることもあります。
またダイカストのみでは寸法精度や面粗度が足りない場合に、仕上げ加工として部分的にマシンによる切削がおこなわれています。切削した面は高精度な仕上りが実現加工。
最後に用途にあわせて表面処理をします。主に耐食性や外観の体裁を目的とし、化成処理、アルマイト、めっき、塗装などを適切に処理します。
どんな素材を使うの?
ダイカストで使用する素材は、金型より融点の低い非鉄金属となります。大きく分けてアルミ合金、亜鉛合金、マグネシウム合金です。銅などもありますが今回は省略で・・。
アルミ合金
ダイカスト生産全体の97%以上がアルミ合金で、ダイカストの代表的な素材です。軽量で耐食性に優れており、様々な産業部品で採用されています。なかでもADC12はバランスのよいグレードで、もっとも人気があります。
亜鉛合金
亜鉛合金は優れた鋳造性により、薄肉や精密な部品を製造するのに向いています。めっきとの相性もよく外観を重視するものにも最適です。また生産性が高くコストを安くできるのもメリット。ほとんどのケースでZDC2が採用されています。
マグネシウム合金
マグネシウム合金は比重1.7とアルミ合金(比重2.7)よりも軽量でありながら、比剛性&比強度も優れている、軽くて強い金属です。私のなかではカメラシャーシのイメージが強いです。燃えやすい特性を持っているため取り扱いに注意が必要。
まとめ

ダイカストのおかげで高精度な金属部品が量産できるんですね。アルミ合金は軽さと強度を活かして自動車のフレームやカバーに使われ、めっきと相性のよい亜鉛合金はドアノブなどの建材で多くみかけます。
思ったより身近な存在かもしれませんよ!

試作でお困りですか?
リバースでは「ADC12」「ZDC2」など
量産と同じ材料で試作ができます
まずはお気軽にご相談ください!!
金属部品の量産で大活躍のダイカスト。最近では自動車業界のメガキャスト導入も話題ですね。はたしてどのようなメリットがある製造方法なのでしょう。