ADC12とは

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ADC12は「アルミニウムを主成分としたアルミ合金」の一種です。機械的性質、コスト、切削性、鋳造性のバランスがよく、アルミダイカストの90%以上で使用されている材質です。

つまりアルミダイカストの人気者!では詳しく見ていきましょう。

特徴

  • アルミダイカストの90%以上を占め幅広く使用されている
  • 機械的性質、コスト、切削性、鋳造性のバランスがよい
  • めっきとの相性がよい
  • 軽くて比強度が高い

物性

化学成分(%)
CuSiMgZnFeMn
1.5~3.59.6~120.3以下1以下1.3以下0.5以下
NiSnPbTiAL
0.5以下0.2以下0.2以下0.3以下残部
物理的性質
密度2.68×10³kg/m³
ヤング率76GPa
熱伝導率96W/(m・K)
熱膨張係数21×10⁻⁶/K
ポアソン比0.33
機械的性質(参考値)
引張強さ310N/mm²
伸び3.5%
衝撃強さ81kJ/m³
硬さ54HRB

JIS H 5301:1990より抜粋

どんなモノに使われているか

  • 自動車部品:シリンダーブロック、ケース、カバーなど
  • 電子機器:ハードディスクケースなど
  • 建築金具:エスカレーターステップなど
  • その他:農機具用ケース、電動工具、ガス器具など

亜鉛合金との違い

亜鉛合金(ZDC2など)との主な違いは、約2.5倍軽く、引張強さも高い(耐衝撃は低い)ことです。自動車などの軽量化を重視する部品に最適な選択となります。

亜鉛合金は融点が低く鋳造性がよいため金型寿命をアルミ合金の倍以上に延ばすことができます。薄肉形状や精度を求める部品、また外観を重視する部品に向いているでしょう。

まとめ

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軽量な特性を活かした自動車部品にぴったりですね。他にもADC1、ADC3、ADC5、ADC6、ADC10、ADC14など多くのグレードがあります。

ちなみに自動車フレームで話題のギガキャストは、ADC12よりも靭性のある独自開発アルミ合金が使われているそうですよ!

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シジュウカラWeb担当
四十すぎたサラリーマンということで、イラストはシジュウカラにしました。ピシッとネクタイ締めて働きます!趣味は仲間たちを撮影することです。