アルミダイカストと亜鉛ダイカストの違い

Web担当

今回はアルミダイカストと亜鉛ダイカストの違いについて。どのような特徴を持ち、使い分けているのか見ていきましょう!

ここが違う

それぞれ代表的なグレードである「ADC12」と「ZDC2」で比較してみます。

もっとも大きな違いは密度で、亜鉛合金はアルミ合金の2.5倍重く、軽量化を重視する部品は迷わずアルミ合金が候補になるでしょう。また比強度(密度に対する引張強さ)が高いことも特徴で、軽くても引張強さはアルミ合金が上回っています。ただし衝撃強さなどは重い亜鉛合金にかないません。

アルミ合金
ADC12
亜鉛合金
ZDC2
密度軽い(2.68)6.6
引張強さ強い(310 MPa)280 MPa
衝撃強さ81 kJ/m³強い(1400 kJ/m³)
融点約580 ℃約380 ℃
鋳造性・型寿命ZDC2より劣る優れている
加飾性ZDC2より劣る優れている
製造コスト高い安い
機械的性質はJIS H 5301:1990より抜粋した参考値

一方で亜鉛合金は鋳造性の良さが最大のメリットです。金型内での流動性がよく鋳肌もキレイ。そのため寸法精度・複雑な形状・外観を重視する部品に適しています。また製造コスト(金型費、ショット数、生産効率など)が安くできるのも嬉しいですね。

融点についてはどちらが優れているとは言えず、高ければ高温環境での使用に耐えられるし、低ければ鋳造性があがります。用途によりメリットにもデメリットにもなります。

どんな製品に使われている?

なんとなくアルミ合金と亜鉛合金の違いがわかりました。では実際どんな製品に使われているのか見てみると、やはりアルミ合金は軽量化が求められる自動車関連が多く、亜鉛合金は見た目の重要な外観部品などに採用されています。

アルミ合金
ADC12
亜鉛合金
ZDC2
自動車フレーム、自動車カバー、自動車エンジン、自動車ミッションケース、家電ハウジング、電動工具ケース、エスカレーターステップなど自動車ドアハンドル、自動車カバー、建具ドアハンドル、錠前シリンダー、家電スイッチ、玩具パーツ、釣り具、文具など

まとめ

Web担当

ざっくりまとめるなら・・軽くて丈夫な部品はアルミダイカスト、外観をキレイに仕上げたいなら亜鉛ダイカスト!

こんな感じでどうですかね?

ABOUT US
シジュウカラWeb担当
四十すぎたサラリーマンってシジュウカラ?ということで、娘にお願いしてイラストを書いてもらいました。今日もピシッとネクタイ締めて働きます!趣味は仲間たちを撮影すること。