ここが違う
それぞれ代表的なグレードである「ADC12」と「ZDC2」で比較してみます。
もっとも大きな違いは密度で、亜鉛合金はアルミ合金の2.5倍重く、軽量化を重視する部品は迷わずアルミ合金が候補になるでしょう。また比強度(密度に対する引張強さ)が高いことも特徴で、軽くても引張強さはアルミ合金が上回っています。ただし衝撃強さなどは重い亜鉛合金にかないません。
アルミ合金 ADC12 | 亜鉛合金 ZDC2 | |
密度 | 軽い(2.68) | 6.6 |
引張強さ | 強い(310 MPa) | 280 MPa |
衝撃強さ | 81 kJ/m³ | 強い(1400 kJ/m³) |
融点 | 約580 ℃ | 約380 ℃ |
鋳造性・型寿命 | ZDC2より劣る | 優れている |
加飾性 | ZDC2より劣る | 優れている |
製造コスト | 高い | 安い |
一方で亜鉛合金は鋳造性の良さが最大のメリットです。金型内での流動性がよく鋳肌もキレイ。そのため寸法精度・複雑な形状・外観を重視する部品に適しています。また製造コスト(金型費、ショット数、生産効率など)が安くできるのも嬉しいですね。
融点についてはどちらが優れているとは言えず、高ければ高温環境での使用に耐えられるし、低ければ鋳造性があがります。用途によりメリットにもデメリットにもなります。
どんな製品に使われている?
なんとなくアルミ合金と亜鉛合金の違いがわかりました。では実際どんな製品に使われているのか見てみると、やはりアルミ合金は軽量化が求められる自動車関連が多く、亜鉛合金は見た目の重要な外観部品などに採用されています。
アルミ合金 ADC12 | 亜鉛合金 ZDC2 |
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まとめ

ざっくりまとめるなら・・軽くて丈夫な部品はアルミダイカスト、外観をキレイに仕上げたいなら亜鉛ダイカスト!
こんな感じでどうですかね?

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今回はアルミダイカストと亜鉛ダイカストの違いについて。どのような特徴を持ち、使い分けているのか見ていきましょう!