プラスチックの歴史

Web担当 DAI
日本の歴史はみんな知ってるけど、プラスチックの歴史を知ってる人は少ない!歴史を知ればもっとプラスチックが好きになる。

プラスチックができる前の話

材料や素材には大きく分けると3種類あります。

  • 金属系(金・銅・鉄など)
  • 高分子系
    • 天然樹脂(獣皮・木材・竹・藁・綿・麻・羊毛・絹糸・生ゴムなど)
    • 合成樹脂(プラスチック)
  • 無機系(石・粘土・動物の骨・象牙など)
人類は古代から様々なものを採取加工し道具として利用してきましたが、そのほとんどが高分子系(天然樹脂)と無機系の天然素材でした。しかし銅や鉄が発見されたことで素材革命がおき、金属系が天然素材に変わって多く使われ全盛期が長く続きます。

そんな時プラスチックが登場するのです。

まめ知識

樹脂(resin)とは元来、植物から得られるものを指します。良く似た性質を持つ物質を合成して作るようになり、それらも樹脂と呼ばれたことから、天然の樹脂を天然樹脂、人工的に合成されたものを合成樹脂と呼んで区別するようになりました。

プラスチックの歴史

  • 前身

    シェラックと呼ばれる天然樹脂

    アカシヤの木に寄生する昆虫から抽出したシェラックと呼ばれる天然樹脂が、プラスチックの前身だと言われています。当時、レコード盤の原料として使用されていました。

  • 1835年

    ポリ塩化ビニルの粉末を発明

    フランスのルノーがポリ塩化ビニルの粉末を発明するが工業化には至らない。

  • 1839年

    ポリスチレンの粉末を発明

    ドイツのジモンがポリスチレンの粉末を発明するが工業化には至らない。

  • 1851年

    エボナイトを工業化

    アメリカのチャールズ・グッドイヤーが天然ゴムと硫黄で作ったエボナイトというゴムを発明し特許を取って工業化。

  • 1870年

    セルロイドの工業化(世界初のプラスチック)

    アメリカのハイアットが発明したセルロイドが世界で初めての熱可塑性樹脂です。これはニトロセルロースに樟脳(しょうのう)を加えたもので、植物のセルロースを原料とするため半合成プラスチックと呼ばれます。

    高価だった象牙の代替材としてビリヤード玉などに広く使われ、合成樹脂産業が始まりました。さらにイーストマン・コダック社により映画用のフィルムとしても利用されます。ただセルロイドには非常に燃えやすく、劣化しやすいという弱点がありました。

    まめ知識

    セルロイド誕生には象牙不足で困っていたアメリカのビリヤード会社が、象牙の代わりになる材料を公募した事がきっかけになっています。

  • 1907年

    フェノールの工業化(世界初の人工合成樹脂)

    ドイツのバイエルがフェノールとホルマリンの反応によってできるフェノール樹脂を1872年に発明したのが始まり。

    その後、1907年にアメリカのベークランドがフェノール樹脂を工業化し「ベークライト」の名で広く普及。動植物を原料としない世界で初めての人工的合成樹脂となる。優れた電気絶縁性、耐熱性、難燃性によりカメラや電話機に使用された。

  • 1909年

    世界初の合成ゴム

    ドイツのホフマン率いる研究グループがイソプレーンの重合に成功し、それを元に世界初の合成ゴムが完成。

  • 1917年

    酢酸セルロースの発明

    セルロイドの弱点である可燃性を改善した酢酸セルロース(不燃セルロイド)が発明され、セルロイド製フィルムによる映画館の出火が大幅に減る。

  • 1920年

    ユリヤ樹脂の工業化

    オーストリアでユリヤ樹脂が工業化される。

  • 1926年

    ポリ塩化ビニルの工業化

    アメリカのBFグッドリッチ社が、様々な添加物を混ぜ合わせることで柔軟性があり加工しやすいポリ塩化ビニルを作ることに成功。ポリ塩化ビニルが工業化されたことで化学工業が始まる。

  • 1930年

    ポリスチレンの工業化

    1926年にドイツのシュタウディンガーらによって、スチレンモノマーが鎖状に結合した高分子物質である事を発見。実用的になったのは1930年で、ドイツやアメリカでポリスチレンが工業化された。

  • 1934年

    アクリル樹脂の工業化

    ドイツでアクリルが工業化。ガラスのような高い透明度を持っている事から「有機ガラス」と呼ばれ、透明性・耐久性・耐候性といったの特長から、戦闘機の風防(キャノピー)などに軍事利用された。

  • 1938年

    ナイロンの工業化

    1927年にアメリカのデュポン社は極秘の研究開発チームを立ち上げ、絹のような繊維を目標に人口繊維のナイロンを開発した。1938年にはカロザースの研究チームがポリアミド(商品名:ナイロン)を開発。1941に工業化された。

    まめ知識

    ナイロン(NYLON)という商品名は開発研究者5人のイニシャルをとって名付けられた。

  • 1945年~

    プラスチックが生活に登場

    第二次世界大戦後、軍用品として利用されていたプラスチックや合成ゴム、合成繊維が一般市民の生活に登場してくる。代表的なものでは「ビニール」と呼ばれたポリ塩化ビニル、「ポリ」と呼ばれたポリエチレン、「スチロール」と呼ばれたポリスチレン、「ベークライト」と呼ばれたフェノール樹脂。

  • 1955年~

    プラスチックの大量生産が始まる

    石油化学の発達により、コンビナートから採掘される石油原料の樹脂が製造される。最初はエチレンを中心に総合化学工業が進み、ポリエチレンを代表とした様々な樹脂が大量生産され、日用品や衣料などの生活用品へと利用された。その後、ポリプロピレン中心の工業へとシフトしていく。

    エンジニアリングプラスチックも登場し始め、アメリカのデュポン社がポリアセタール(POM)、ドイツのバイエル社がポリカーボネート(PC)を生産開始。

  • 1965年~

    スーパーエンプラの登場

    1965年を過ぎるとさらに高性能なスーパーエンプラが登場してくる。アメリカではUCC社・3M社がポリスルホン(PSU)、デュポン社がポリイミド(PI)、フィリップス社がPPS樹脂、ICI社がPEEK樹脂を開発。

    まめ知識

    現在でも大活躍の食品用白色発泡トレイやPE製レジ袋は70年代に登場しました。

  • 現在

    生活を豊かにするプラスチック

    日本だけで合成樹脂の生産量は年間1000万トン(2016年)を超え、もはや生活に欠かせない素材となっている。比率で見れば汎用プラスチックが圧倒的に多く、なかでも三大汎用プラスチック(ポリエチレン・ポリ塩化ビニル・ポリプロピレン)だけで700万トン近くある。

    主に金属の代替材として使われるエンプラ・スーパーエンプラは高機能化への市場ニーズが強い。材料メーカは添加剤による各種グレード開発、アロイ化による改質、環境対応、新機能素材など技術開発を進めている。

まとめ

Web担当 DAI
こうして見てみると150年前の発明から市場ニーズに合わせて日々進歩してきたことがわかります。そしてこれからも新しい歴史を作っていく事でしょう。

みなさんは気になる事柄・素材はありましたか?

私はベークライトの歴史の長さに驚きましたね。茶色だからってバカにしてすいませんでしたベーク師匠!

参考書籍・資料

[1] トコトンやさしいプラスチック材料の本|高野菊雄|日刊工業新聞社
[2] 図解 プラスチックのはなし|大石 不二夫|日本実業出版社
[3] 現場で役立つプラスチック・繊維材料のきほん|和歌山県工業技術センター|コロナ社
[4] プラスチック (図解雑学)|佐藤 功|ナツメ社
[5] 統計資料|日本プラスチック工業連盟

ABOUTこの記事をかいた人

Web担当 DAI

有限会社リバースのWeb担当。自作PC・カメラ・iPad・3DCADが好きなデジタルオタクで、何時間でもPCの前に座っていられる特技を持つ。休日は公園や博物館にいる事が多い2児の父でもある。